介護サービスを受け入れてもらうまでの道のり
介護と育児のダブルケアのSakuです。
頑なに介護サービスを拒否していた母がサービスを受け入れたときの状況を書いていきます。
「デイサービスなんて必要ない」―― これまで母は、どんな介護サービスの提案にも首を縦に振ることはありませんでした。
要介護認定を受けてから、私やケアマネから何度か説得を試みましたが、その度に母は頑なに拒否の姿勢を崩しませんでした。
介護サービスの利用に抵抗を感じる高齢者は決して珍しくないと分かってはいても、この状況をどう打開すればよいのか、途方に暮れる日々が続きました。
突然の転機と慌ただしい契約手続き
ところが、思いがけない出来事が起こりました。
母と一緒に住んでいた父が急遽、入院することになったのです。
しばらくは1人で住むことが決まった母が、自ら「私は、どうしたら良いのか。1人では無理。」と言い出したのです。
そして、「A事業所のショートステイをしたい。」と言いました。
その言葉を聞いた時は、耳を疑いました。
すぐにケアマネジャーに連絡を取り、ショートステイが出来るか確認してもらいました。
父の急遽入院と母の衰弱ぶりもあり、急遽、母のショートステイをすることが決まりました。
なんと、契約も連絡した平日の午後2時、突如として時間が決まりました。
この時間帯は、私にとってWeb会議が予定されていた時間でした。
とにかく急遽決まったことなので、WEB会議しながら対応することになりました。
まるでスーパーマン並みのマルチタスク
そして迎えた契約時。
片耳でイヤホンをつけWeb会議に参加しながら、もう片方の耳でショートステイの契約内容を確認するという、前代未聞の状況が展開されました。
(カメラOFFで参加可の会議だったのでなんとか乗り切れたというところです。)
会議では時折「はい、承知いたしました」と返事を入れつつ、契約書にサインし、持ち物リストをチェックし…。
後から思えば、あの時間は、無謀だったなと思っております。。。
予想外の母の反応

最大の心配は、いざショートステイ先の送迎車に乗り込む時の母の反応でした。
これまでの経緯を考えると、直前で気が変わってしまうのではないか―― そんな不安が頭をよぎりました。
しかし母は、私の心配をよそに「私のことは心配しないで」と、むしろ私を気遣うような言葉を残して、意外にもすんなりと送迎車に乗り込んでいきました。
見えてきた希望の光
この経験を通じて、いくつかの大切なことに気付かされました。
まず、本人の気持ちの変化を待つことの重要性です。
確かに、介護する側の焦りや不安から、つい押しつけがちになってしまいます。
しかし、本人が「受け入れたい」と思えるタイミングを逃さないことが、結果的には最善の選択になるのかもしれません。
名もなき介護は日々を送る中で、予期せぬところで次々と起こります。
時には、仕事と介護の狭間で綱渡りのような思いをすることもあるでしょう。
しかし、一つひとつの経験が必ず次につながっていきます。
今は、母がショートステイを気に入ってくれることを願いながら、また新たな一歩を踏み出していこうと思います。