はじめに
先日、親から「買いたい物を自分達で買いたい。だから、買い物を手伝ってほしい」と連絡がありました。
日常の中で少しずつできなくなってきたことに対し、どこまでサポートするのが本人のためになるのかを考えるきっかけとなりました。
この記事では、私の経験をもとにサポートのあり方について整理してみます。
サポートの基本は「できることを自分で」
サポートが必要な場面ではもちろん手助けしますが、できる部分はなるべく本人に任せることが大切と感じています。
たとえば、買いたい物を自分で商品を選んだ際には、選ぶ行為そのものに満足感を感じている様子が見られました。そのことから、すべてを代行してしまうと、本人の自立性や体力、精神的な意欲を削いでしまうなと感じました。
本人の主体性が活力を生む
親の買い物体験
当日は母が家から出たがらないので足腰が弱くなってきた父が買い物に行くことになりました。
車に乗る際にはふらつきやシートベルトの着用でサポートが必要でしたが、店内では自分でカートを引き、買いたいものを選びました。
これは単なる買い物以上の意味を持ち、「自分ができることをやる」ことで達成感を得ているようでした。
また、父が自分で商品棚を見て「これにしよう」と選び、カートに商品を入れるたびに、表情が少し明るくなるのが印象的でした。
時間がかかることの意味
正直、私が主導すれば買い物はもっと早く終わったと思います。
しかし、時間をかけることで父が考えたり、選んだりする機会が生まれます。
「大変だからやらなくてもいい」と決めてしまうと、
父が「もう何もできなくていいんだ」と諦めてしまう可能性があります。
少しの不便さや努力を伴う行動が、自分の力を再確認するきっかけになっているようでした。
買い物プロセスにおけるサポートの工夫
買い物には以下のステップがあります。それぞれで今回行った例を紹介します。
- 店に行く
- 車で父を送り、駐車場から店までは父の速度に合わせてゆっくり歩きました。
- 歩く
- 店内ではカートを支えにしながら、父に自分のペースで歩いてもらいました。
- 商品を選ぶ
- 父が商品棚を見て「これが良さそうだ」と選ぶ場面では、選んでもらいました。
- 必要なものを見つける
- 母のメモを見ながら「これがまだだね」と伝えると、父が商品のある場所を探し、見つけてもらいました。
- 精算する
- レジでは父が自動精算機を使い、支払いを担当しました。
- 持って帰る
- 重い袋は私が持ちましたが、父にも軽い荷物の積み込みはしてもらいました。
「店に行く」や「持って帰る」といった部分では支援が必要でしたが、それ以外は自分で行えるようでした。
このように、一つひとつの行動を分解し、サポートの必要な部分と不要な部分を明確にすることで、父の主体性を活かせるのではと感じました。
無理をさせずにバランスを取る
もちろん、「無理をさせない」ことも重要です。
父は最近「疲れた」という言葉を頻繁に口にするようになりました。
本人の状態を観察しながら、負担になりすぎないよう調整する必要があります。
無理のない範囲で、適切にコミュニケーションを取ることが大切です。
我が家のサポートの基本方針
今回の経験を通じて、現時点での我が家のサポート方針を考えました。
- 本人の主体性を尊重する
- できる部分は本人に任せ、達成感を得てもらう。
- 無理をさせない
- 状態を観察しながら、負担を調整する。
- サポートの範囲を明確にする
- 必要な部分だけ支援し、不要な部分は任せる。
手助けをしながらも本人の自立を守ることが重要だと再確認しました。
これからもバランスを取りながら、本人の力を引き出せるサポートを続けていきたいと思います。